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ブックマーク / trivial.hatenadiary.jp (10)

  • 検索するのに困る殺人事件 - 一本足の蛸

    ○○○○○○○○殺人事件 (講談社ノベルス) 作者: 早坂吝出版社/メーカー: 講談社発売日: 2014/09/04メディア: 新書この商品を含むブログ (24件) を見るこれは今月上旬に出ただが、いきつけの近所の小さな書店には講談社ノベルスが入荷しないので、昨日までこのの存在を知らなかった。その書店で昔、「新格推理」の諸作を買った覚えがあるので、昔は少なくとも新刊は入っていたはずだ。確か京極夏彦がデビューした頃には、まだあった。たぶん西尾維新がデビューした頃にもあったはず。いつの間にその書店から講談社ノベルスが消えたのかはよく覚えていない。まめに新刊をチェックしていれば気になったのだろうが、いつしか講談社ノベルスの新刊を待ち望むこともなくなったので、その頃に静かに棚から消えたのだろう。そういえば、講談社ノベルスで記憶に残っているいちばん最近のは城平京の『虚構推理 鋼人七瀬』だが、

  • 台風だから深緑野分のミステリーでも勉強しよう - 一本足の蛸

    台風とうとう吹いた。 いまwebちくまに深緑野分「四二〇円の使い道」が掲載されている。前編は7月18日公開、後編は8月1日公開。掲載・既刊案内|深緑野分|noteによれば掲載終了は8月29日とのこと。野分といえば二百十日というイメージがあるが、それまで待っていたら読めなくなってしまうので、台風11号が州へ上陸した今日読むことにしたのだった。 「四二〇円の使い道」の感想の前に、この作者の過去の作品について少し振り返っておこう。 深緑野分は第7回ミステリーズ!新人賞に佳作入選した「オーブランの少女」で2010年12月デビューした。第2作は2012年6月の「仮面」、これらの作品を含む作品集『オーブランの少女』が刊行されたのは2013年10月のことだった。これが今のところ唯一の単行であり、長篇はまだない。 作品の発表ペースから寡作な人だという印象を抱いていた*1のだが、どうやらそうではなかった

    台風だから深緑野分のミステリーでも勉強しよう - 一本足の蛸
  • 『オーブランの少女』を読む - 一本足の蛸

    オーブランの少女 (ミステリ・フロンティア) 作者: 深緑野分出版社/メーカー: 東京創元社発売日: 2013/10/22メディア: 単行この商品を含むブログ (16件) を見る2010年の第7回ミステリーズ!新人賞は当たり年で、受賞作「強欲な羊」(美輪和音)のほか、2篇の佳作入選作があった。そのうちの1篇*1が深緑野分の「オーブランの少女」だ。この作品は同年12月の『ミステリーズ!vol.44』に掲載された後、『ベスト格ミステリ2011』にも収録されている。 「オーブランの少女」に続く深緑野分の第二作「仮面」が発表されたのは、2012年6月の『ミステリーズ! vol.53』なので、「オーブランの少女」から1年半後のこととなる。そして、さらに1年半を経て、「オーブランの少女」「仮面」ほか3篇を含む初の作品集が刊行された。それが書『オーブランの少女』だ。 世の中の事柄にはなんでも「上に

    『オーブランの少女』を読む - 一本足の蛸
  • 「視点と叙述」への新しい光 - 一本足の蛸

    小説新潮 2014年 05月号 [雑誌] 出版社/メーカー: 新潮社発売日: 2014/04/22メディア: 雑誌この商品を含むブログ (3件) を見る連休も最終日となったので、積ん読状態だった「小説新潮」5月号を開いた。お目当ては深緑野分の「アントン先生と明るい目撃者」だ。 深緑野分は2010年に東京創元社の第7回ミステリーズ!新人賞で佳作となった「オーブランの少女」でデビューした。寡作家であり、デビュー作を表題作とする作品集『オーブランの少女』*1が刊行されたのは2013年秋のことだった。この作品集は5篇の中短篇から成っており、時代も国も違えば作品の長さもまちまちでありながら唯一「少女」をテーマに据えていたので、当然その路線で作家としての地歩を固めていくのだろうと思っていたら、続く「カントリー・ロード」*2では、少女が1人も登場しないどころか、「少女たちの儚くも甘やかな嘆美の世界に浸り

    「視点と叙述」への新しい光 - 一本足の蛸
  • ライトノベル作家がライトノベル編集者になった話 - 一本足の蛸

    最近とある筋から聞いた話なのだが、某ライトノベル作家が某ライトノベルレーベルの編集者としてデビューすることになったそうだ。ではライトノベル作家業は廃業したのかといえばそういうわけではないらしい。ラノベの杜の新刊情報を見ると某ライトノベル作家の新刊が近々出ることになっている。その一方で同じリストに某ライトノベル作家が編集者として関わったも並んでいるのだから、なんだか不思議な気分だ。いや、「並んでいる」というのは言葉の綾で、別のページに情報が掲載されているのだけれど。 だが、作家から編集者へ、または、編集者から作家への転身、あるいは作家と編集者の兼業というのは、非ライトノベルの世界ではいくらでも前例がある。たとえば横溝正史は若い頃「新青年」の編集長だったし、江戸川乱歩は晩年「宝石」の責任編集者だった。ライトノベルはまだ歴史が浅いので作家と編集者を巡るエピソードが広く知れ渡っていないだけで、実

    ライトノベル作家がライトノベル編集者になった話 - 一本足の蛸
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    noreply 2008/10/23
  • 二度殺された死者と「二重の光輪」 - 一本足の蛸

    私たちは事件が何を意味するのかを知るために、死者たちをただの「記号」として、「数字」として、「誰でもよかった死者」として扱うことを強いられる。 このとき死者たちは二度殺されている。 一度目は「メッセージ」を書いた犯人によって、二度目は「メッセージ」を解読しようとする私たち自身によって。 笠井潔は、『探偵小説論』において、探偵小説は大量死の時代に抗して、フィクションの世界で固有の人間の死を復権させる試みであり、そこで死者は犯人による巧緻を極めた犯行計画という第一の光輪と、それを解明する探偵による精緻な推理による第二の光輪によって、世界大戦で塹壕に積まれた無数の死体の山と比較して、二重の光輪で選ばれた者となるとした。(しかし、このような探偵小説特有の死体粉飾は、死者にとっては大きな迷惑であり、死体冒涜的なのではなかろうか?また、『哲学者の密室』で笠井潔は、密室の質直観を「特権的な死の封じ込め

    二度殺された死者と「二重の光輪」 - 一本足の蛸
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    noreply 2008/07/14
  • 1回3分の更新で簡単にアクセス数を稼ぐ方法【はてなダイアリー版】 - 一本足の蛸

    はてなブックマーク - 人気エントリーを開く。 いちばんブックマークが多い記事を選んでリンクする。たとえば、今見ると無題のドキュメント とんでもなく綺麗な水の画像下さいだったので、それにリンク。 リンク先の記事の見出しに対して否定的な見出しをつける。たとえば「綺麗な水の画像には毒がある」とか。 見出しから思いついたことを適当に書き散らす。元記事を読む必要はありません。 「保存する」ボタンを押す。 おしまい。

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    noreply 2008/07/08
  • 米澤穂信と「探偵の敗北」 - 一本足の蛸

    雲上四季 - 米澤穂信の話|青春ミステリの条件と古典部シリーズを読んで思いついたこと。 米澤穂信の小説に登場する探偵役は謎に勝って女に負ける。 どういうことか。 まず、基的に米澤作品の探偵役は謎解きに失敗しないということ。『愚者のエンドロール (角川文庫)』の途中経過をみるとちょっと微妙だけど、あくまでも「基的に」なので目くじらを立てないでほしい。探偵役は提示された謎を楽々とクリアしている。 で、探偵役の自意識は肥大し、全能感に酔いしれ、かなりアレな状態になっているところを、ヒロインまたは準ヒロインの女性にガツンとやられてへなへなになってしまう。これが米澤作品における「探偵の敗北」だ。 もちろん、この構図にあてはまらない作品もある。たとえば、「Do you love me?」とか「11人のサト」とか。どちらも主人公は女性だし、後者はミステリですらない*1。だが、例外にこだわっていては先

    米澤穂信と「探偵の敗北」 - 一本足の蛸
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    noreply 2007/10/10
    「米澤穂信の小説に登場する探偵役は謎に勝って女に負ける」密閉教室?
  • 本当の凡作とは - 一本足の蛸

    ◆「アクロイド〜」を凡作とか言ってる奴は何にもわかってないな。当の凡作とは口の端にものぼらないものの事を言うのだ。 アクロイド殺し (ハヤカワ文庫―クリスティー文庫) 作者: アガサクリスティー,Agatha Christie,羽田詩津子出版社/メーカー: 早川書房発売日: 2003/12/01メディア: 文庫購入: 20人 クリック: 140回この商品を含むブログ (143件) を見るアクロイド殺害事件 (創元推理文庫) 作者: アガサ・クリスティ,Agatha Christie,大久保康雄出版社/メーカー: 東京創元社発売日: 2004/03/28メディア: 文庫購入: 2人 クリック: 43回この商品を含むブログ (28件) を見るアクロイド殺人事件 (新潮文庫) 作者: クリスティ,中村能三出版社/メーカー: 新潮社発売日: 1958/08メディア: 文庫 クリック: 7回この商

    本当の凡作とは - 一本足の蛸
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    noreply 2007/10/03
    アクロイド殺し大杉。
  • スポンサーから他人事 - 一本足の蛸

    インシテミル 作者: 米澤穂信出版社/メーカー: 文藝春秋発売日: 2007/08メディア: 単行購入: 6人 クリック: 598回この商品を含むブログ (348件) を見る見出しの「他人事」は「ひとごと」と読んでください……というようなどうでもいい話はおいといて、早速『インシテミル』の感想文を書く。特に未読の人の興をそぐようなことは書かないつもりなので、これから読む予定の人も安心してもらいたい。でも、この言葉が信用できない人もいるだろうから、そんな人はこんな感想文を無視してさっさと『インシテミル』を読むといいと思う。『インシテミル』を読もうかどうしようか迷っている人にはごめんなさい、と先に謝っておく。たぶん、この先にはあなたの選びの参考になるようなことは何も書いていないはずだから。 『インシテミル』は米澤穂信の9冊目の単著*1である。前著『ボトルネック』が去年8月末に出た後、『失礼、

    スポンサーから他人事 - 一本足の蛸
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    noreply 2007/08/30
    米澤穂信の新刊の「『インシテミル』は推理意欲のない読者を対象に、ミステリの残骸をこれでもかこれでもかとばかりに見せつけつつ、最後まで読者の興味を惹きつける技を繰り出した小説だといえる」
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