タグ

reviewとSFに関するnoreplyのブックマーク (10)

  • 限りなき夏/クリストファー・プリースト - 不壊の槍は折られましたが、何か?

    限りなき夏 (未来の文学) 作者: クリストファープリースト,Christopher Priest,古沢嘉通出版社/メーカー: 国書刊行会発売日: 2008/05/01メディア: 単行購入: 3人 クリック: 40回この商品を含むブログ (53件) を見る ジーン・ウルフに代表されるように、娯楽小説と評価され得るジャンル内でも、作品内でわざと全てを語らず、何らかの要素を読み手の解釈または想像に委ねる作家が存在する。作品には曖昧模糊とした余白が出て来るわけだが、筆致がふくよかな場合、その余白からえもいわれぬエモーションが立ち上がることがある。プリーストの諸作はその最たるもので、作品の勘所では絶妙な感傷をまとう。しかも読みやすいのが素晴らしい。 この『限りなき夏』は8編の短編を収録している。いずれもプリーストの領が発揮されており、実に楽しく、同時に実に味わい深い。愛をテーマにした作品が多い

    限りなき夏/クリストファー・プリースト - 不壊の槍は折られましたが、何か?
    noreply
    noreply 2008/05/24
    プリーストの短編集。未来の文学シリーズ。
  • 蒸気駆動の少年/ジョン・スラデック - 不壊の槍は折られましたが、何か?

    蒸気駆動の少年 [奇想コレクション] 作者: ジョン・スラデック,柳下毅一郎出版社/メーカー: 河出書房新社発売日: 2008/02/19メディア: 単行購入: 4人 クリック: 48回この商品を含むブログ (49件) を見る『スラデック言語遊戯短編集』に比べれば、難易度が遥かに下がった短編集である。翻訳がマトモなのはやはり大きいし、作品自体、ケリー・リンク程度以上にはストーリーを追えるものが多い。中には非常にわかりやすい作品すら含まれている。「超越のサンドイッチ」は明らかにワンアイデア・ストーリーで、これは恐らく誰もが簡単に読めるはずである。また、《ヘンゼルのグレーテル》の悪意に満ちたパロディ「血とショウガパン」は、グリム童話が結構残酷であることが膾炙している現代では、広く受け容れられるだろう。 その一方で、スラデックの尖った面は遺憾なく発揮されており、耐性のない読者をあっさり振り捨て

    蒸気駆動の少年/ジョン・スラデック - 不壊の槍は折られましたが、何か?
    noreply
    noreply 2008/03/06
    "本短編集を「わけがわからん」と拒否する一方で、『見えないグリーン』や『黒い霊気』を真っ当な小説だとして評価するのは一種の矛盾かも知れない"
  • アプターの宝石/サミュエル・R・ディレイニー - 不壊の槍は折られましたが、何か?

    レプターに住む詩人ジオと大男アースンは、四腕の少年泥棒スネークに出会う。世界にはこういった奇形の人間も結構いるのだ。そしてこの三名は白き女神アーゴの化身の母親を名乗る司祭に出会い、敵国とされる謎に包まれたアプターへ向かうことになる。白き女神アーゴの化身(つまり司祭の娘)はアプターに誘拐されていた。彼女はジオ・アースン・スネークに、アプターの宝石を奪い、娘を取り戻そうとして航海に出る……。 舞台は恐らく遠未来の地球で、核戦争で文明が一時衰退し、また少しずつ回復しつつある。これを背景に、「善悪とは立場によって変わるものだ」という、掴み所があやふやなテーマが、波乱万丈の冒険物語に乗せられ、絢爛たる文章表現に彩られて展開する。 某所で法月綸太郎『密閉教室』が中二病であるとの指摘を目にしたのだが、高校生が高校を舞台に(リアルで聞いていると)恥ずかしい言動をとる程度の『密閉教室』で中二病と言っている

    アプターの宝石/サミュエル・R・ディレイニー - 不壊の槍は折られましたが、何か?
    noreply
    noreply 2008/01/19
    "「こうすれば冒険小説はカッコ良くなるはず」とガキが思いそうな要素がてんこ盛りなのである。おまけに全体のバランスも悪い。よって『アプターの宝石』は、要素のみを取り出すとジャンクばかりである"中二病。
  • また君か。@d.hatena - 最近の読書 - 田中ロミオ「人類は衰退しました」

    Perl書評やアルファなどで有名な dankogai 氏が田中ロミオ「人類は衰退しました」というラノベを読んでいて物珍しかったので(http://blog.livedoor.jp/dankogai/archives/50855904.html)、じゃあおれもいずれそれを読んでみようと思っていたのだけど、ラノベというのは時期を外すと途端に買えなくなってしまうもの(商品点数が多くて回転が速いので大手ブランドの人気シリーズとか以外の既刊を探そうとするのは大変)らしく、何周遅れかでの探索はなかなか大変だった。たしかクリルタイ 2.0 の podcast 収録見学で渋谷に行ったとき TSUTAYA で一冊置いてあったんだよなー、あのとき「まあいずれ買うんだけどそれは今日じゃない気分だ」とか思って先延ばしにしたのが失敗だった。 知るきっかけになったのは上述のとおり dankogai 氏のブログだっ

    また君か。@d.hatena - 最近の読書 - 田中ロミオ「人類は衰退しました」
    noreply
    noreply 2007/10/10
    「ようはあらすじでピンときた。これはな、おれのようなおっさんオタにやさしい話だ」「つまり竹本泉「ねこめ~わく」、あれに近いカテゴリということだ」
  •  10分でわかる『銀英伝』。 - Something Orange

    先日、平和さん(id:kim-peace)が、こんなことを書いていた。 実は・・・銀英伝が判りません 小説を読んだことも、アニメを見たこともありません。ヤン提督の名前と顔はかろうじて一致します。 スターウォーズのデススターみたいな要塞がでるんでしたっけ? 某所と某所がDVD-BOXの話題で盛り上がっていたのですが、全然付いていけません・・・ 読めよ。 いや、ひとの価値観はそれぞれなので、どのを読むのも読まないのもそのひとの勝手ではある。でも、ライトノベル読みなのにこの作品を読み逃がしているなんて、それは人生の損失でしょ。 およそ、日のキャラクタ小説で、この作品を超えるものは存在しないと思う*1。単純に商業的側面だけを見ても、正編全10巻だけで1000万部を超えるセールスを記録している。日出版史上屈指のベストセラーなのである。 もちろん、世の中には何がおもしろいのかわからないベストセラ

     10分でわかる『銀英伝』。 - Something Orange
  • 2007.7.10 - 日記

    バイオリンのお稽古もせんと、伊藤計劃氏の『虐殺器官』を読んでしまう。実は私、ここ二年ばかり(もっとか?)、彼のブログの愛読者であった。更新が途絶えるとかなり、まじで、心配した。コミケまで彼のメタルギアを買いに行こうと思ったことさえあり、映画の批評も結構好きで、一頃は知り合いに端から凄いすごいと言って歩いたくらいである。この人の小説なら是非読みたいと思っていたから、小松賞に落ちた時にはちょっとがっかりしたし、早川で出ると聞いた時には心待ちにした。すかさず買ってから『バーチウッド』の担当者に、言えば持って来ましたよと言われ、あ、そうか、と思ったが、別に後悔はしていない。買うだけの値打ちは充分にあるからだ。 既にweb上には相当数感想や批評が出ているから、ごしゃごしゃ書くことはしないが、一読して感じ入ったのはその繊細さだ。もちろん題材は、タイトルと表紙に偽りなく、凄まじい訳だが、にも拘らず、ち

    2007.7.10 - 日記
  • さて次の企画は - メタルギア・ソリッドファンから福井晴敏ファン、ジージャンズやボンクラ系まで必読! 伊藤計劃デビュー作『虐殺器官』は将

    伊藤計劃のデビュー作『虐殺器官』を読んだ。 近未来の米軍を舞台にした今までの日小説には無かったといっていいミリタリーアクション小説で、一度読み始めたら読み終わるまでをおけないほどにムチャクチャ面白い。デビュー作からこの作家を追っかけなければならないということはよくあるけれども、これほど惹かれた作品というのはここ2、3年になかったように思う。 そう…アップトゥデイトで世界の有り様を描いた作品としては、 個人的に3年ぐらい前から、ずっと考えていた「ポスト福井晴敏には誰が座るか?」という命題があった。考えている候補は何人もいたのだけれども、ことここに至っては、そこに座する作家として伊藤計劃が最有力候補として入ってきたというのは間違いない。 虐殺器官 (ハヤカワSFシリーズ・Jコレクション) 作者: 伊藤計劃出版社/メーカー: 早川書房発売日: 2007/06メディア: 単行購入: 26人

    さて次の企画は - メタルギア・ソリッドファンから福井晴敏ファン、ジージャンズやボンクラ系まで必読! 伊藤計劃デビュー作『虐殺器官』は将
    noreply
    noreply 2007/07/01
    状況論的な書評。
  • 筒井康隆を知る12冊の長編

    村上さんの騎士団長を最近、読んだ(ここ数年以内)。なぜなら、村上春樹は最大の現実逃避の小説なので、現実逃避したい時に読みたいから。 Amazon.co.jp: 騎士団長殺し(第1部~第2部)合版(新潮文庫) 電子書籍: 村上春樹: Kindleストア >「試練はいつか必ず訪れます」と免色は言った。「試練は人生の仕切り直しの好機なんです。きつければきついほど、それはあとになって役に立ちます」 免色さんかっこいい。ノルウェイの長沢さんを思い出します。 カツセマサヒコさんの名前は知っていたけどを読んだことがなかったので、読んだ。 明け方の若者たち (幻冬舎文庫) eBook : カツセマサヒコ 青春小説だった。青春小説としてはとても楽しく読んだ。 サブカルもたくさん。 昔読んだ燃えがらさんの「ボクたちはみんな大人になれなかった」に通ずるところがあった >「人間の体は、あっためて甘いもん入れた

  • Self-Reference ENGINE/円城塔 - 不壊の槍は折られましたが、何か?

    Self‐Reference ENGINE (ハヤカワSFシリーズ・Jコレクション) 作者: 円城塔出版社/メーカー: 早川書房発売日: 2007/05/01メディア: 単行購入: 11人 クリック: 362回この商品を含むブログ (260件) を見る 巨大知性体*1の織り成す、様々な《世界》におけるお馬鹿なエピソードを20個を連ねた作品。全体的なヴィジョンが壮大過ぎ、全貌の把握はかなり難しいものの、個別のエピソードの楽しさは紛れもなく物だ。ユーモラスな語り口も素晴らしいが、折々に挟まる、晴朗な感傷の絶妙さも読みどころ。読者は、ゲラゲラ笑っていたら、いつの間にかしんみりしていたり、心温まったりしていることだろう。この作品は、極端にペダンティック、極度に緻密である一方、非常に健康的でもあるのだ。まさに傑作。 以下、冒頭部分を引用する。最初から実に振るっている。 全ての可能な文字列。全ての

    Self-Reference ENGINE/円城塔 - 不壊の槍は折られましたが、何か?
    noreply
    noreply 2007/06/02
    「読者は、ゲラゲラ笑っていたら、いつの間にかしんみりしていたり、心温まったりしていることだろう。この作品は、極端にペダンティック、極度に緻密である一方、非常に健康的でもあるのだ。まさに傑作」
  • 愛・蔵太の少し調べて書く日記 - 本や映画の批評は知識のない「自分語り」レベルじゃ単なる「感想」だよ

    アカデミズムの人たちが映画について語っているテキストはなぜかたいてい退屈で、それは高校生ぐらいまでのときはぼくの頭が悪いせいなんだろうと思っていたんですが、小林信彦とか石川喬司とか双葉十三郎とか和田誠といった人たちの作品レビューを読んで、「アカデミズムな人は、数少ない読んだで自分語りをしたいだけなんだ」ということがわかりました*1。狭い穴(深いことは深いけれども)と少ない素材(素材的には美しかったり新しかったりするけれども)で、自分たちの知識の乏しさを隠している。ぼくは人の話を心のこもらないやりかたで聞くのは嫌いではないのですが、十分な知識と斬新な見方で何かを言ってくれる人のほうが興味深いわけです。 ええと、あんまりいい例が思い浮かばないんだけど、SFマガジンという、今では日でひとつしかないSF*2雑誌がありまして、1960年代は福島正実という人が編集長でした。小松左京や筒井康隆

    愛・蔵太の少し調べて書く日記 - 本や映画の批評は知識のない「自分語り」レベルじゃ単なる「感想」だよ
    noreply
    noreply 2006/11/09
    理系SF
  • 1