企業と消費者とのコンタクトポイントとして、インターネットの存在感が大きく増してきた。今や企業にとっても、ネットを利用したマーケティングやブランディングの巧拙が、実際のビジネスに影響を与えることを意識せざるを得ない状況だ。 2012年1月には、巧拙の「拙」の側面で、ネット上のコンテンツが企業のビジネスに強く影響を与えていることを実感させる事件が起きた。著名な飲食店系クチコミ情報サイトで発覚した「やらせ書き込み問題」である。 これは一部の業者が、飲食店から報酬を受け取った上で、その店舗に対する好意的なクチコミをサイトに書き込み、不正に高評価をつけるという手口が発覚したものだ。本来、一般消費者の中立的な評価から成り立っているはずのクチコミ情報サイトで、こうした不正が行われていたという事実は、ニュースなどで大きく扱われるとともに、ネット上でも「ステルスマーケティング」を意味する略語である「ステマ」