「ラグビーの聖地」として有名な東大阪市の近鉄花園ラグビー場に、2019年に日本で初めて開催されるラグビーワールドカップ(W杯)を誘致しようと、同市が施設整備に向けて動き出した。12年度当初予算案に調査費300万円を盛り込み、試合会場に必要な設備について調べる。ただ、条件を満たすには6億円以上かかるとの試算もあり、施設を所有する近鉄グループや、誘致を最初に提案した府との連携が必至。いつ工事を始められるかは不透明だ。(浦野親典) 「聖地という誇りがあっただけに、選ばれなかった衝撃は大きかった」 市の担当者の間では今も、09年5月の〈ショック〉が話題に上る。当時、W杯の日本での開催を目指していた日本ラグビーフットボール協会などでつくる招致委員会が、国際ラグビーボード(IRB)理事に大会概要などを提案。文書には国内候補地として9会場が並んでいた。長居スタジアム(大阪市)、秩父宮ラグビー場(東京都)