7月21日の豪雨災害で4人の死者を出した防府市下右田の国道262号付近で、約50か所の山の表面がほぼ同時に崩壊し、崩れた土砂が一斉に剣川に流れ込んで大規模な土石流になっていたことが、山口大大学院理工学研究科の金折裕司教授(58)(応用地球科学)らの調査で明らかになった。10月2日に徳島市で開かれる日本応用地質学会で発表する。 県によると、土石流は午前11時56分に発生。国道262号を通行中の車両約20台や住宅が土砂にのみこまれ、車に乗っていた女性らが死亡した。国道262号は今月6日の仮復旧まで寸断され、物流や人の行き来に大きな影響を及ぼした。 金折教授らの調査チームは7月27日から防府、山口市内の土石流発生現場で、被災後の地形や地質を調査。土石流の通り道を逆にたどり、土砂崩壊の起点を地図上に記録している。 調査の結果、下右田地区では粒子の粗い花こう岩が風化し、マサ(土)状になって広く分布。