チョウザメ養殖を手がける熊谷仁志さん。「エサやりのタイミングなど、こつがつかめてきた」と話す=愛知県豊根村奥飛騨ガーデンホテル焼岳の「奥飛騨キャビア」=同ホテル提供 【相原亮】長野、静岡との県境の山村、愛知県豊根村が、キャビアがとれるチョウザメの養殖に乗り出した。「村おこしの起爆剤に」と地元は意気込む。本場ロシアなどで漁獲量が激減するなか、村は、国産キャビアにかける日本各地の先駆者に背中を押された。 豊根村で養殖が始まったのは昨年6月。村中心部、標高500メートルの休耕田につくった池に沢の水が豊富に流れ込み、黒光りするチョウザメ約1500匹がひしめく。大きいのは70センチで、この1年で10倍近くになった。運送業を営む熊谷仁志さん(54)が育てる。 村の人口は約1300人。県内の自治体で最も少なく、65歳以上の高齢者が半分近くを占める。かつて林業が主力だったが、今はスキー場や温泉など娯