概要 私は速読するとき、高速だと五千〜字/分、最高速だと一万〜字/分くらいのペースで読む*1。あくまで私の体験だが、その体験から、速読に関する誤解を解く。 速読は、速く読める代わりに深く読めない。だが、速読はトレードオフが生じても、それでも意味があるのだ。そして、速読の運用や技術に関する外観を眺め、精読との併用まで視野に入れよう。 速読の誤解 まず速読は、頭の良し悪しとは別だ。理解力や思考力とは別だ。情報を入力する部分の技術なので、処理や出力まで向上するわけではない。回線の速さとCPUの速さは別物だ。 あるいは、もしかしたら副産物があるのかもしれないが、過剰に期待すれば確実に失望するだろう。端的に、速読ができても、英語ができなければ英語の本は読めないし、数学ができなければ数学の本は読めない。 しかも、ある程度はどうしても、量と質のトレードオフが生じる。非常に高速に読んでいるときは、細かい部