【広州=小林哲】北京で見つかった約4万年前(中期旧石器時代)の人骨の成分分析から、当時の人類が淡水魚を常食していたことが裏付けられた。釣り針などの道具が登場する前の時代に当たり、人類が魚を食べていた直接の証拠として最も古い。中国科学院や独マックスプランク研究所などの研究チームが米科学アカデミー紀要で発表した。 研究チームは、北京郊外の周口店遺跡で見つかった東アジア最古級(約4万年前)の人類祖先の骨に注目。生物の体内に蓄積された炭素や窒素などの放射性同位体比が、食べ物の種類に影響を受ける性質を利用して、当時の生活環境などを探った。 この人骨の炭素と窒素の同位体比は、同所で見つかった当時の山猫に近く、シカなどの草食動物とはかけ離れていた。さらに、硫黄の同位体比が同時代の淡水魚の数値に極めて近いことも判明した。研究チームは「当時の人類は淡水魚を主なたんぱく源にしていた」と結論づけた。 中期