消費税の9%引き上げか、定年延長と年金支給年齢の引き上げか、あるいはその両方か。政府の財政運営をめぐり、毎年の国の借金がどの程度になるのか試算が出たなかで、与謝野馨経済財政担当相(72)が、年金支給について年齢支給引き上げを示唆した。ふくらみ続ける政府の財政赤字への対策。庶民の生活に大打撃を与えることは間違いない。 内閣府が21日の閣議などで報告した「経済財政の中長期試算」では、慎重な経済見通しを前提とした場合、2020年度の国と地方の基礎的財政収支(プライマリーバランス=PB)は、23兆2000億円の赤字となるとしている。 このPBは、毎年の政策経費を、借金に頼らずに賄えているかの指標。PBがゼロになったとしても、国や政府の借金が増えなくなるだけのことで、10年度に833兆円、15年度には1000兆円を突破するとされる国と地方の公債残高、つまり累計の借金を減らすことにはならない。