今川焼、大判焼き、回転焼き、あるいは……。あの餡子やクリームが入った、丸いお菓子。見た目も中身もほぼ同じなのに、なぜこんなに呼び方が違うのか。(取材・文:昼間たかし) いったい呼び方はいくつある? この美味しい菓子の呼び名を紹介した記事は様々あるが、中でも秀逸なのが食品大手のニチレイの商品紹介ページ。同社の冷凍食品「今川焼」は、レンチンすればすぐに食べられるということで、冷凍チャーハンと並ぶ人気商品だという。 商品名は「今川焼」だが、同社サイトでは「大判焼き」と「回転焼き」という名前の由来も紹介。さらに、全国における呼称の分布や呼び方の一覧まで掲載している。ちなみに商品名の「今川焼」で呼ばれる地域は関東地方に限られている。 だが、この菓子、もともとは「今川焼」として始まったようだ。1889~1891年にかけて刊行された日本初の国語辞典『言海』にはこうある。 〈〔東京、今川橋ニ始マル〕銅版ニ