憲兵だった父の隠された手紙(2016年8月16日 甲府局 上田大介記者) 太平洋戦争の戦地から送られてきた膨大な量の手紙。日本軍の憲兵が、当時家族にあてて書いたものです。 軍の検閲をくぐって届いたとみられる手紙には、戦場の知られざる実態が記されていました。 424通の手紙が伝える戦争 山梨県韮崎市の保坂衣子さん(75)は、父が亡くなったあとに自宅の蔵を整理中、偶然手紙の束を見つけました。 保坂衣子さん: 「うちにいる父はなんか物を読んでいるか書いているか物静かな人でしたね。本当に中をみてびっくりしました」 手紙を書いたのは、衣子さんの父、五味民啓(たみよし)さんでした。陸軍の歩兵として召集され、昭和12年から3年間、日中戦争で戦地に送られました。 手紙は五味さんが、戦時下の中国から日本の妻や弟にあてて送り続けたものです。その数は424通。戦場の実態が克明につづられていました。 (手紙より)