フランスのニースで発生したトラックを用いた大量轢殺事件について、「イスラーム国」の自称通信社である「アアマーク」が「「イスラーム国」の兵士の一人が「イスラーム国」と戦う同盟国の国民を攻撃せよとの呼びかけに応えて行った作戦である」と「報道」した。 「イスラーム国」の自称ラジオ局である「バヤーン」も同様のニュースを読み上げた。これらが「事実上の」犯行声明として、ニースの事件を「イスラーム国」の作戦とみなす根拠となってしまったわけだが、「イスラーム国」のプロパガンダを安直に取り扱うことは、「イスラーム国」を増長させ更なる事件を誘発させる結果に終わりかねない。そのような事態を避けるためには、「イスラーム国」の広報の仕組みや彼らの広報部門の機能を知っておくことが有効である。 「イスラーム国」の広報2016年7月、「イスラーム国」は「カリフ国の構造」と題する動画を発表した。それによると、「中央広報庁」