第35回 2017.12.08 更新 この連載は担当から貰ったネタメモよりテーマを選出しているのだが、これがメモに書かれている最後のテーマである。 「家族苦」 この一言だけだ、説明はない。 担当メモの熱量と物量に圧倒されつづけた当コラムだが、最後の最後に、「何も言わないのが一番怖い」という、「人間が一番恐ろしい」に匹敵する美しいオチがキマった。 だが説明が要らぬのも確かである。 「苦」というのは、最終的に「逃げる」のが最善策だ。それを良しとせず、死ぬまで戦うと大体死ぬ。 数ある苦の中でもっとも逃れ辛いのが、家族だ。ここから逃れようとしたら、それこそ「故郷の村は焼いてきた」ぐらいの覚悟が必要になる。 まず、最初の家族は自分では全く選べない、という問題がある。選べたら今頃、福山雅治と吹石一恵の家には5億人ぐらい子どもが生まれているはずだ。 貧富の差はもちろん、親によって人生の序盤はほとんどは決
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