「考えてから走るのではなく、走りながら考える」と微笑みながら仕事の取り組み方のポリシーを語るのは、サントリーのCIO(最高情報責任者)に相当する常務取締役 情報システム事業部長 グループ業務推進部担当を務める神谷有二氏。2005年3月からIT(情報技術)部門を率いる神谷氏のこの言葉は、「やってみなはれ」というサントリーに脈々と受け継がれている創業の精神をほうふつとさせる。 神谷氏のキヤリアの大半は、生産部門が占める。例えば国内外で工場を新設・廃止するプロジェクトの推進者や、ビール工場の品質管理責任者だったことがある。そんな神谷氏はIT部門を任された当初、「生産部門の感覚で見ると、IT部門は金銭感覚がちょっとお金持ち」と感じたと苦笑する。 「バックアップ用のサーバーはどれくらいの頻度で故障するのと聞いても誰も答えられなかった。どの会社もそうだと思うが、生産部門では考えにくいこと。もっとも仕方