ブックマーク / blog.tinect.jp (8)

  • 手取り19万円の栄光の終わりに

    舵のない舟 かくて早くも彼の心は、洗練された隠遁の地、心地よき無人の境、人間的愚かさの絶えざる氾濫を遠く逃れた、びくとも動かぬ、なまぬるい方舟を夢みつつあった。 ユイスマンス『さかしま』 さかしま (河出文庫) 思えばおれの人生というのは舵のない舟に乗って川を流れてきただけだ。みすぼらしい帆や、壊れかけのエンジンはついていたかもしれない。ただ、流れてくるように、流れてきた。 おれは人生に興味がなかった。正確にいえばおれはおれの人生に興味がなかった。明日、どうしよう。五年後、どうしよう。大人になったら、どうしよう。なに一つ向き合ってこなかった。 親だとか誰かだとかにいわれるがままに、適当に流れてきた。意思というものがなかった。 べつに親だとか誰かだとかを信じていていたとか、そんな話もない。自分は確固たる意思をもって、意思を持たずに生きてきた。 人生の岐路に立って自分で道を選んだという覚えもな

    手取り19万円の栄光の終わりに
    nowrika
    nowrika 2024/05/30
    この人のネット上での表現のどこまでが本当でどこからがフィクションなのか気になっている。同郷で世代も同じなので尚更
  • 妻の「進捗確認」のやり方に感心した話

    身内褒めで恐縮なんですが、以前、子どもに対するの言葉選びで感心したことがありまして、ちょっとしたことなんですが文章にしたくなりました。 先に書いてしまうと、その言葉とは、子どもに頼んだ家事の進捗を確認する時の「○○(頼んだ家事)ありがとう!」という言葉です。 順を追って書きます。 しんざき家は5人家族でして、私と、高校生の長男、双子の長女次女で構成されています。 ついこの間生まれたばかりと思っていたら、先日長女次女が小学校を卒業してしまいました。時間の流れが早すぎてビビる他ありません。 で、しんざき家では現在、子どもたちを積極的に家事に参加させる方針をとっておりまして、自分が使った皿は自分で洗うことが前提となっていることを始め、料理やら洗濯やら掃除やら、家事が出来るタイミングでは色々な家事を担当してもらっています。 これ自体は特別なことではないと思いますが、家事を任せるとなったら「手伝

    妻の「進捗確認」のやり方に感心した話
  • 私が教わった「仕事の本」の読み方。

    仕事がら、を読むことが多い。 具体的には、コンサルタントの頃は、月に10冊必ず読めと言われていたので、辞めた今でも惰性でそれをボチボチ続けている。 もちろんこれは「仕事用」に読むの冊数で、プライベートで読むは別だ。 最近は、ほとんど電子で買っているので、Kindleで購入したの冊数はもう4000近い。 ほんとうは、紙でが欲しいのだが、棚はとうの昔に限界を迎えている。 だから、棚がたくさん置ける家に引っ越すのが、個人的な今の夢だ。 都内では夢のまた夢かもしれないけど。 * ところで、「仕事を読む」のが苦痛だという方がいる。 マンガとか、小説ならば読めるけど、どうにも仕事となると……という。 これは何も珍しいことではなく、コンサルティング会社の同僚もほぼ同じことを言っていたし、何なら、私だって「興味の薄いゾーン」のを読むのに苦労するのは同じだ。 だから、仕事で大量の「の情

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    nowrika
    nowrika 2024/03/05
  • あんなにも感動し、興奮したものが、惰性になってしまった。これは悲しい。 | Books&Apps

    おれの生活 おれは毎晩の事をXにポストするタイプの人間である。Twitterにツイートしてきた人間だといってもいい。 おれには3,600人ほどフォロワーがいるが、毎日おれを観察している人間がいるだろうか?たぶん10人くらいいると思う。その10人は気づいていることと思うが、おれは毎晩ほとんど同じものをべつづける。 貧乏だから野菜がえないとかいうのは毎晩お好み焼きべないやつの戯言にすぎない/関内関外日記 古くは、お好み焼きだった。一家離散して一人暮らしをはじめた。 金がないので自炊する。はじめての自炊生活。なにをべよう。おれはお好み焼きが好きだった。お好み焼きはどうだろう? お好み焼きなら小麦も卵もキャベツも肉もとれるし、栄養的にも悪くないんじゃないのか。なにより、おれはお好み焼きが好きだ。 でも、毎日べると飽きるんじゃないのか? これが、飽きなかった。おれは来る日も来る日もお

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    nowrika
    nowrika 2024/02/07
  • タスク処理のコツは「考える」を事前に済ませておくこと。

    この記事で書きたいことは下記のようなことです。 ・私が知っている中で一番「整理整頓」「片付け」が上手い人は、昔居候していたバーのマスターです ・マスターに「片付けのコツ」を聞いてみたところ、「頭と手を同時に動かそうとするな」と言われて、以下のようなことを教わりました ・片付けというのは要は「カテゴライズ」であって、単純化すると物品を分類するだけの行為 ・人間は複数のことを同時にやるのが苦手であって、「考えながら手を動かす」のは高いコストを要求される ・だから、「考えておけることは事前に考えておく」だけで片付けのハードルが下がる ・お前は片付けの時、手を動かしながら分類まで考えようとしているので全然片付けが出来ない、先に考えるべきことを考えろ ・その教えを後から思い出して、だいぶ(片付けに限らず)タスク処理が上手くなりましたので、片付けが苦手なひとはご参考まで 以上です。よろしくお願いします

    タスク処理のコツは「考える」を事前に済ませておくこと。
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    nowrika 2023/10/31
  • いつ、だれが、天皇を「特殊な存在」にしようと目論んだのか?

    だれが「天皇」を作ったのか おれは前に、易姓革命の対象にならない、中国の皇帝とも違う、ほかの国の「王」とも違う、「神格化された天皇」についてのを三冊読み、その感想を書いた。 古代日と天皇の起源に興味を持ったので、いろいろ調べてみた。 そこで松健一がこんなことを述べていた。 日の古代国家において、そういう虚構をつくりあげた人物(もしくは組織)があったことは、たしかである(現在の私は、その人物が天武であり、その協力者が藤原不比等だったのではないか、と考えている)。 『「孟子」の革命思想と日』 そう、天皇の神話というものは自然発生的に生まれたものではないだろう。自然発生したところがあったとしても、それをまとめた『日書紀』の編さんにおいては、その時の権力者による希望が反映されていないわけがない、そう思った。 で、だれなんだ? とか思いながら、古代日あたりのを読んでいて、こんなタイト

    いつ、だれが、天皇を「特殊な存在」にしようと目論んだのか?
    nowrika
    nowrika 2023/04/19
  • 小室直樹に、キリスト教、イスラム教、儒教、仏教の違いを学ぶ。

    おれはこの前、小室直樹のを読んだ。 読んで、「これはなんかすごいぞ」と思った。思って、立て続けに読んだ。これはもう、令和の小室直樹ブームが来るんじゃないかと思った。いや、そんなブームが来るかどうかはしらない。おれのなかでブームが来た。 二重三重の早とちりに独学の限界を思う どのようなブームか。比較宗教学的ななにかだ。 おれは仏教を中心にいろいろなを読んではいた。しかし、小室直樹のを読んで、それこそ、ハッとしたのである。ほかの宗教と比べてどうか、日におけるその場所はどこか。 小室直樹がはたしてどんな一般的な評価を得ている人かおれにはよくわからない。 なにやら右派への接近と言うか、取り込まれみたいなものもあるように思うが、どうにもそんなもの突き抜けたようななにかがあると感じた。 というわけで、おれは数冊の小室直樹ので、「要諦である」と語られたいくつかの要素を、それぞれの宗教、思想に割

    小室直樹に、キリスト教、イスラム教、儒教、仏教の違いを学ぶ。
  • フルマラソンを完走して、限界まで追い込まないと人は壁にすらぶつかれないという事を理解した

    1/29に行われた東京チャレンジマラソンに出場し、完走した。 2021年から始めた毎日10キロ走り続ける生活も1年を超えたが、ひとまずフルマラソン完走という目標を達成できて感無量である。 35キロの壁は分厚かった フルマラソンを完走して最初に思った事の一つは「世の中には体験しないと理解できない世界があるんだなぁ」という事であった。 僕はそれまで人間の限界というのは心肺機能によるものであり、疲れてしまってもう一歩も動けないというのはゼーハーゼーハー言って、ヘトヘトの状態になるものだと思っていた。 だがフルマラソンにおける限界は心肺機能によるものではなかった。 心肺はむしろ余裕シャキシャキである。じゃあ何が僕を追い込んだかというと、脚である。 マラソンの世界では35キロの壁という概念がある。 これは35キロ地点ぐらいから途端にシンドくなるぞという警告であり、それをもって多くのベテランは 「最初

    フルマラソンを完走して、限界まで追い込まないと人は壁にすらぶつかれないという事を理解した
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