Last update 1999/08/07 Scheme処理系の制作 第3回 (C)平山直之 無断転載は禁止、リンクはフリー 誤字脱字の指摘は歓迎 継続とは 今回は、前回「めんどくせえ」と放棄した継続の概念の説明および実装レポートについて書きたいと思います。 あれからまたインターネット漁ってみたのですが、やっぱりどうも日本語リソースはないらしいので、自力で書いてみることにします(schemeの研究してる学者・学生なんて掃いて捨てるほどいるだろうに……) さて、こんなC言語のコードがあるとします。 void foo(void){ bar(baz( )); bar(0); } C言語を学んだ皆さんなら、このコードがどういう順番に実行されるのかわかりますよね。説明されるまでもなく、 baz( )を呼び出す その戻り値を引数としてbarを呼び出す 0を引数として呼び出す fooの呼び出しもとに帰
成績について Schemeの成績はレポートのみ(出席は取らない) レポートは完全にできていなくても提出できた分をそれなりに評価する 課題について 提出は hara2001-scheme @ ui.is.s.u-tokyo.ac.jp へメールで送ってください 送信されたE-mailに対して自動的に返信メールが送られます 添付ファイルではなくメール本文に直接貼ってください (ただしどうしても文字化けしてしまう人はテキストファイルを添付してください) Subjectは "Report (課題番号) 学生証番号" で送ってください 例: Report (1) 123456 課題の本文の先頭に Scheme演習 第1回レポート 理科I類2年 123456 須木 異夢 という形式で名前等を書いてください 締め切りは次のScheme演習の前日 授業で出題する前に課題を提出してもかまいません (質問も受
魔術師本: (名詞) MITの入門コースで使う計算機科学の優れた教科書 ハル・エイブルソン, ジェリー・サスマン, ジュリー・サスマン共著(和田英一訳)「計算機プログラムの構造と解釈 第二版」(ピアソン・エデュケーション 2000年). 表紙の魔術師ゆえにそういわれる. LISP/Scheme世界の聖典のひとつ. まれに紫本としても知られている. ハッカー英語辞典 第2版(MITプレス 1993)より λλλ 計算機プログラムの構造と解釈 第二版 λλλ λλλ(Structure and Interpretation of Computer Programs Second Edition) λλλ λλλ に関連するホームページ λλλ λ 訳者跋文 λ 正誤表 λ 人名地名考 Ben Bitdiddle, Alyssa P. Hacker, Sl
emeitchさんのリクエストより。元ネタは Perlプログラマのレベル10。 私家版、Schemeプログラマのレベル10 くれぐれも本気にしないように。 レベル0 SchemeとかLispとかいうカッコだらけですごくわかりにくい言語があることは知っているが、 最強とか主張する信者がいるらしいのでなるべく関わらないようにしている。 EmacsLisp?もその親戚らしいけどコードを見ただけでくらくらする。 でも便利なマクロは自分の.emacsにコピペしている。 レベル1 Schemeに関するwebサイトを見たり、大学の講義での説明とかを聞いて、 factorialとかappendとかreverseとかを書いたり、 ネストした木構造のノードの数を数えたりできる。 でもそれが何の役に立つかわからない。こんな言語で実用的な プログラムが書けるなんて信じられない。 カッコの位置を間違えて動かないプロ
Hope is a good thing, maybe the best of things, and no good thing ever dies. (希望は良いもの、おそらく最上のものだ。そして、良いものは決して消えない。:『ショーシャンクの空に』より) 高林さんとのつながり -- 今回は、高林さんからのご紹介ですが、どういったつながりですか? 実は、直接お会いしたことは一度もないんです。一番最初はですね、Paul Graham の『Beating the Averages』 っていうのを、私が翻訳(邦題『普通のやつらの上を行け』)させて頂きまして、それの感想をメールで頂いたのがきっかけです。それから、私が開発している Scheme 処理系(Gauche)を使って頂いています。 -- 川合さんにとって翻訳って、あれは自分で読んで面白いものをみんなに見てもらう、っていうところですか?
Lisp 一夜漬け 「Lisp 一夜漬け」は、ソフトバンクの月刊誌『Oh!X』の 1995年10月号〜1995年12月号に掲載された Lisp 講座です。 ここでは、掲載当時の X68000 に特化した部分などは削除してあります。 (ということは、1995年12月号掲載ぶんは全削除です) Lispの書き方 (1997.09.26 21:55) Lisp の世界 関数という概念 書き方 変数 制御と述語 関数定義 リスト (1997.10.01 00:50) Lisp におけるデータ型 ドット対 ドット対からリストへ nil について リストの定義 リストを扱う関数 リストを扱うプログラムを作る
「継続の書(Book of Continuation): 8面以降でもコンティニューできるようになる」 (「レインボーアイランド」) Schemeには継続を扱うための関数 call-with-current-continuation (別名 call/cc) がある。 でもここでは blockという(機能としては違いの無い)構文を定義して、 それを使って説明していく。 blockの定義は、 (define-syntax block (syntax-rules () ((_ name e1 e2 ...) (call-with-current-continuation (lambda (name) e1 e2 ...))))) とか、 (define-macro (block name . body) `(call-with-current-continuation (lambda (,n
継続の説明の断片 「John Reynolds "The Discoveries of Continuations" によると、 継続の概念が初めて現れるのは1964年らしい。 そして、1970、1971年頃(さらにその後も)何人もの人によって再発見されている。 Knuth は、何人もの人が独立に演算子順位文法を考えだしたのに 自分は思いつかなかったから、 「自分は、自力で演算子順位文法を思いつけなかった唯一の計算機科学者だ」 とか考えたらしい。 「自分は、自力で継続を思いつけなかった唯一の計算機科学者だ」 と考えた人もいるのだろうか。」 C言語のexit() 関数は、関数呼び出しと言うよりジャンプだ、 という事を聞くことがある。 なぜかというとexit() は関数呼び出しから戻ってこないから。 例えば、 exit(1); printf("Not reached\n"); となっている時、
Shiro Kawai まだ下書き Schemeの特徴をあげるときに、「継続」や「call/cc」が出て来ないことはない。 でも、R5RSのcall/ccの項をいくら読んでも、どうもよくわからない。 call/ccを使えばC言語のbreakみたいなのとか、コルーチンとかいう スレッドもどきとかが書ける、というのはわかったけど、一体そういうのが書けて 何が嬉しいのか、そこんとこがピンと来ないんだ。 今、そこにある継続 プログラミングの世界の概念には、禅の公案のようなものがある。 それを説明する文章はほんの一文なのに、最初に目にする時、 その文は全く意味をなさない、暗号のように感じられる。 だがひとたびその概念を理解すると、 その概念の説明は確かにその一文で説明されているのがわかるのだ。 そんな、「分かれば分かる」という禅問答の中でも 「継続」は最も謎めいたものの一つと言えるだろう。 文献を
call/cc を使って簡単な Coroutine を作ります。call/cc 入門だと思ってもらえれば幸いです。 coroutine とは ここでは coroutine を「実行の途中でリターンでき、さらにそこ(実行の途中)から再開することが出来る何か」の意味で使用します。適当な疑似言語で書くと次の通り。関数の途中でのリターンを suspend(), 途中からの再開を resume() で表すことにします。 void f(co) { // co は coroutine object の意味 int i = 0; while (true) { printf("=> %d\n", ++i); co.suspend(); } } co = coroutine.create(f); co.start(); // f(co) を呼び出す => 1 co.resume(); // suspend()
Last update 1999/08/07 Scheme処理系の制作 第1回 (C)平山直之 無断転載は禁止、リンクはフリー 誤字脱字の指摘は歓迎 ゲームとスクリプト はい、また例によって行き当たりばったりな企画です。 といっても、相当長い間私の心の大きな部分を占めていた問題ではあります。 それは言語の処理系の必要性についての問題です。 ゲーム制作、特にRPG・アドベンチャーなどの「シナリオ」の重要性が高いものを作るのに必要不可欠なものに、「イベントスクリプトの処理系」というものがあります。ネットでもこうした「イベントスクリプトの処理系」について考える人が少なくないのも、こうした必要性の表われと言えるでしょう。 しかし、こうした処理系は、それぞれのプログラマが独自の文法でプロジェクトごとに作り直しているのが現状です。これが、コードの再利用、ひいては「気楽にゲームを作る」上での大きな障害に
まえがき 世の中には様々なプログラミング言語があるが,本文書では,Lispプログラミン グ言語の一つの方言であるScheme(スキーム)を紹介する.ここではSchemeを直観 的に理解することをまず目標として,形式的に完全であるかどうかにはこだわら ないことにする. ※見た目にもあまりこだわらないことにする:-) より詳しくは, 湯浅太一 「Scheme入門」 岩波書店 K.ディヴィグ著 / 村上雅章 訳 「プログラミング言語 SCHEME」 ピアソン・エデュケーション 2000 猪股俊光, 益崎真治 「Schemeによる記号処理入門」 森北出版 1994 D.P.フリードマン, M.フェライセン 著/ 元吉文男, 横山晶一 訳 「Scheme手習い」 マグロウヒル出版 1990 H. Abelson, G.J. Sussman and J. Sussman 著 "Strucuture a
back (技術評論社 Software Design誌 2000年 7月号 に掲載された、「Scheme への招待 〜 GNU標準のスクリプト言語入門」の 記事を加筆修正したものです *1) はじめに みなさんは Lisp をご存じでしょうか。Lisp は 1950年代後半*2に John McCarthy によって 開発されたプログラミング言語で、 おもに記号処理などの分野で今も利用されています。 Scheme は Lisp から派生した言語のひとつで、 Guy Lewis Steele Jr. および Gerald Jay Sussman によって 1975年に開発されました。Scheme はよく 「Lisp の方言」などと呼ばれますが、Lisp よりも簡単な仕様 で、それでいて複雑なプログラミングが可能なように設計されています。 どのプログラミング言語にも長所と短所がありますが、S
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