【ブリュッセル=井田香奈子】スーダンのダルフール紛争をめぐって、同国のバシル大統領を人道に対する罪で国際手配している国際刑事裁判所(ICC、本部ハーグ)の予審裁判部は12日、新たに集団殺害(ジェノサイド)の罪で同氏の逮捕状を発行した。 集団殺害罪は国際刑事法上最も重い罪で、ICCがこの罪で逮捕状を発行するのは設立以来、初めて。 バシル氏は今年、大統領に再選された。ICCの訴追に向けた動きを批判し、ICC加盟国への出入りを避けて逮捕を逃れている。 検察側は2008年、集団殺害罪を含む逮捕状を請求したが、予審裁判部は09年3月、人道に対する罪と戦争犯罪に絞った逮捕状を出した。検察側は同年7月、集団殺害罪も容疑に加えるよう上訴裁判部に請求。今年2月、上訴裁判部は予審裁判部の判断を破棄、差し戻した。