モノリスソフトが開発し任天堂からリリースされた、ニンテンドースイッチ用RPG『ゼノブレイド2』は、雲海に覆われた世界“アルスト”が舞台となっている。アルストを描くにあたって開発陣が目指したのは、波形のモコモコ感があり、海のようにリアルタイムに形状が変化し、半透明である……そんな3つの条件を満たす雲海の表現だった。 当初は、水面の表現によく使われていることから、雲海との相性もいいのではと考え、グリッドベースのポリゴンでの描画を試みたそうだ。だが、半透明の重なったポリゴンを正しく表示することができず、問題解決のためにはCPUとGPUに高い負荷がかかることが判明。また、煙などの表現に用いられるパーティクルも検討されたが、大量のパーティクルを表示する必要があり、負荷が高くなるので現実的ではないと判断された。 稲葉氏らは悩むうちに、当時流行りはじめていた、レイマーチングによる表現で解決できないかと思