決して高い視聴率ではなかったものの、テレビ放送時より熱烈な支持を集めていたドラマの映画化。河合勇人監督、脚本の古沢良太、そして主演の長谷川博己ほか、テレビ版と同じキャスト、スタッフが集結していることもあり、画面のなかにある種の一体感が感じられるところが興味深い。舞台となる学校の生徒役の俳優たちの演技のアンサンブルも自然でリアリティがあり、現在の中学生が抱える人間関係の問題や葛藤に観客がすっと入っていくことができるようになっている。そこにはもちろん、鈴木先生役の長谷川博己の存在感が欠かせない。学園ドラマのいわゆるヒーロー的な超越した存在ではなく、守る妻もいながら女性生徒に妄想を繰り広げてしまうという人間臭いキャラクターを作り出すことにより、黒縁メガネの奥に眼光鋭く、生徒たちの内面を洞察していく姿に強い説得力を与えている。 (C)2013映画「鈴木先生」製作委員会 生徒会選挙そして文化祭という
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