6 ケット 量子力学は、光子や原子あるいは電子などとても小さな世界を扱う。微小な世界を構成しているこれらは粒子と呼ばれる。 量子が存在しない世界は真空の世界である。粒子が存在する場合には、どこに存在しているのかを考えなければならない。ここでは、話を簡単にするために、3次元の世界ではなく1次元の世界(直線上)で考えることにしよう。そして、さらに簡単にするために、直線を幅\(d\)で区切ることとする。この時、\(l\)番目の区間は、\((l-\frac{1}{2})d \leq x < (l+\frac{1}{2})d \)とする。そしてこの区間を\(l\)番目の格子点と呼ぶことにする。なお、直線は\(-\infty < x < \infty\)とする。 6.1 ケットとは 量子力学では、粒子がどこに存在しているかは、ケット\( |>\)で表す。\(|\)と\(>\)の間には状態を書く。状態の