消費税の引き上げで暮らしや経済にどんな影響が出るか−。税率10%の場合は平均的世帯で年間16・5万円の負担増となることが第一生命経済研究所の試算で明らかになった。消費の冷え込みで景気が下押しされれば、目標の財政再建自体が遠のく恐れも指摘されており、消費税論議でも家計負担と財政再建のバランスが焦点となりそうだ。 ■低所得者層ほど負担増 消費税は税率1%の引き上げで約2兆5千億円の税収増が見込まれるが、試算では、1%引き上げで平均的な4人家族世帯で年間3万4千円の負担増となる。 現行5%の税率を10%とすれば16万5千円の負担増で、年間の消費税支払総額は34万6千円まで膨らむ。 低所得層ほど相対的な負担は大きく、年収250万円以下世帯の消費税支払額が年収に占める割合は8・1%。年収1500万円以上世帯の4・2%の約2倍となる見込みだ。 ■GDP30兆円消失? 試算した永浜利広主席エコノミストは