欧州金融市場の安定に向け、日本は欧州金融安定化基金(EFSF)が発行する債券の購入を継続し、今後も資金面で欧州を支える方針だ。ただ、債務危機の抜本解決に向けたユーロ圏諸国の政治決定の遅れが危機拡大を招いているとの懸念を強めており、支援の条件として、抜本的な安定化策を厳しく求めていく構えだ。 財政が悪化したユーロ圏諸国の国債を買い支えることなどを目的に設立されたEFSFは、資金調達のためにEFSF債を発行。1、6月に計3回、総額130億ユーロ(約1兆3700億円)を発行し、日本は外貨準備を使って、3度にわたって計約27億ユーロ(約2840億円)を購入した。非欧州圏では米国と並ぶ最大の支援国だ。 最近の歴史的な円高は、欧州の信用不安で比較的安全とみられる円資産に資金が流れ込んでいることも背景にあり、一段の円高を阻止するためにも、欧州安定化は不可欠だ。EFSF債は、ドイツなどの信用を背景に格付け