東京電力福島第1原発事故で住民避難に活用できなかったことが問題視されている「緊急時迅速放射能影響予測ネットワークシステム」(SPEEDI)について、福島県が事故後の昨年3月15日朝までにメールで送られた放射性物質の拡散予測をなくしていたことが21日までに分かった。県はメールの受信に気づかず、データを消去していた。 県によると、SPEEDIの運用を担当する原子力安全技術センターが同月12日午前2時ごろからメールを1時間ごとに送信していたものの、県は15日朝まで着信を把握せず、メールボックスの容量がいっぱいになったとして、他のメールとともに消去していたという。 県の担当者は、拡散予測は県庁内の専用端末に届くことになっており、震災のために庁舎が使えなくなって、データは入手できないと考えていたと説明。同センターからメールを送付したとの連絡もなかったとしている。 【関連記事】 【特集】日赤