台湾のエレクトロニクス企業・鴻海精密工業を率いる郭台銘(テリー・ゴウ)会長が、「今のおたくの株価なら、うちはシャープ本体を丸ごと買収することだってできるんですよ」と、シャープ幹部にすごんでみせたという(『日本経済新聞』電子版8月25日付)。大前研一氏も台湾勢らによる日本企業の買収攻勢は続くと見ている。 * * * この先、凋落した日本のエレクトロニクス企業は、台湾企業か韓国企業による買収攻勢に晒されるだろう。おそらくシャープは獰猛な鴻海の郭会長にかき回され、冒頭の言葉通り丸ごと買収されるのではないか。 半導体大手のルネサスエレクトロニクスや富士通の半導体部門は、やはり台湾のファウンドリ(半導体受託製造)で世界最大手のTSMC(台湾積体電路製造)による買収が濃厚だと思う。 TSMCの張忠謀(モリス・チャン) 会長は「台湾半導体産業の父」とも呼ばれる温厚な人物なので手荒なことはしないだろうが