「自らを批判し、改善できない法王庁(バチカン)は病気だ」。ローマ・カトリック教会のフランシスコ法王は22日、枢機卿らに向けたクリスマスのあいさつで、バチカンの官僚主義的で内向きな体質を厳しく批判した。 例年ならば一年の労をねぎらわれる場で、トップから強い「内部批判」が飛び出した。法王庁の問題点を「陰口というテロ」や「物欲」「虚飾に走る」など、15もの「病気」に例えて、改善を促した。 法王はまた「聖職者とは飛行機のようなものだ」と語りかけた。「ニュースになるのは落ちた時だけだ。だが一人が落ちれば、教会全体が傷つく」と述べた。 昨年3月に就任したフランシスコ法王は「貧者のための清貧な教会」を掲げる。機密文書の流出や、教会の資産を運用する機関のマネーロンダリング(資金洗浄)問題など、醜聞が噴出した法王庁の改革に取り組んでいる。信者からは高い人気を得るが、法王庁内には倹約思考への不満もあるとされる