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ブックマーク / agora-web.jp (14)

  • メールで謝って何が悪い --- 酒井 秀晴

    先般、読売新聞に、内部文書を設定ミスで公開してしまったグーグルに対し、その陳謝をメールで行ったことに対して批判的な記事が掲載された(YOMIURI ONLINE 2014年04月20時「陳謝をメールとは…グーグルに鉄道会社あきれ顔」)。 同記事には(鉄道)会社の担当者の話として「問題を起こしたら直接事情を説明するのが普通」「ああいう会社はなんでもメールで済まそうとする。足を運ぶとか、泥臭いことはしないものなのですかね」とある。 グーグルの社員とてあえて「普通」に反した行為を選択したのではないだろう。彼らにとってはそれが普通であり、普通の基準が違うだけの話だ。よくある世代間ギャップにも通じる。「近頃の若いものは電話や直接会って話そうとせず、なんでもメールで済ませようとする」という類の批判である。 ネットに慣れた側からすれば、直接会って話すより、メールの方がより整理して考えや心情を伝えられると

    メールで謝って何が悪い --- 酒井 秀晴
  • ビットコインの「価値」について議論するための基礎知識

    ビットコインは価値が有るのか。ビットコインは通貨なのか?この話になると、もう話に収拾がつかなくなるとおもう。 ただ、そこが丸だとおもうので、ビットコイン解説家として、あえて切り込んでみることにする。おそらく今までおこなわれた説明のなかで、いちばんわかりやすいと思う。 なお、前回までの基礎解説は「事実」を説明したが、今回は事実ではなく「考え方」の説明だ。そして、これが賛否両論なのも理解している。下記の説明をよんで、賛するか、とんでもないと非するかは貴方の自由だ。賛否がわかれるから、これほど物議をかもしているのだ。そして、どちらの立場も正しい。これには結論など出ていない。 Q ズバリ、ビットコインは通貨なのですか? 違う。断言する。ただし、意地悪ないいかたで、違うといっておく。 Q 「意地悪ないいかた」ってどういうことですか? つまり、現在の通貨と同じではないということだ。国家が、将来の税収

    ビットコインの「価値」について議論するための基礎知識
  • 「細胞」は覚えている --- 長谷川 良

    エピジェネティクスという言葉がある。DNAの配列に変化はなく、細胞の分裂後にも継承される遺伝子に関するもので、「細胞記憶」と呼ばれている内容だ。 簡単な例を挙げる。マウスが餌をべる。その時、快い匂いを流す。マウスがべようとすると、軽い電流が流れ、マウスはビックリする。その実験を繰り返していくと、マウスは匂いを嗅ぐだけで怖くなる。2代目のマウスにも同じ実験をする。「エサと匂い」の関係を学ぶのに第1世代は3カ月間を要したが、2代目のマウス、そして3代目のマウスになると、その学習時間は急速に短くなる。マウスのDNAに変化はないが、細胞が「エサと匂い」の関係を記憶した結果というわけだ、細胞がどのようなメカニズムでその経験を記憶し、子、孫にそれを伝達するのか、細胞記憶のメカニズムはまだ不明だという。 「恐怖心も遺伝するか」というタイトルの記事がオーストリア放送サイエンスの中で紹介されていた。恐怖

    「細胞」は覚えている --- 長谷川 良
  • リクナビの『地獄のミサワ』CMはなぜ気持ち悪いのか

    実に気持ち悪いCMを見てしまった。『地獄のミサワ』キャラクターが登場するリクナビ2015のCMである。キャラクターが気持ち悪いだけでない。リクルートの手のひらで踊らされている感、偽善的な臭いが気持ち悪いのだ。そして、就活する学生をバカにしていないか。 ここで訴求されているのは、リクナビの新機能、『OpenES』と『就活マネージャー』だ。前者はいわゆる、共通化したエントリーシート、後者は総合的なスケジュール管理ツールである。リリース文はこちらである(http://www.recruitcareer.co.jp/news/old/2013/131115_01/)。 前者の『OpenES』については、以前、意見を書いた。 NEWSポストセブン|就活エントリーシートを共通化しても学生は救われないと識者 http://www.news-postseven.com/archives/20131023_

  • 製造業はAKBに学べ

    クルーグマンがちょっと前のコラムでしていた話だが、資主義のゲームのルールが変わりつつあるのかもしれない。普通の経済学では賃金は労働生産性で決まり、利潤は資の限界生産性で決まると考えるが、たとえばアップルのすごい利潤率は、とても投資に対するリターンとは考えられない独占レントである。これは道徳的に非難しているのではなく、グーグルもマイクロソフトも同じだ。 ハイテク企業ではwinner-take-allになる傾向が強いので、投資リターンよりプラットフォームを独占してレントを取るのが勝負だ。他にも、投資家が大もうけしたら、それを元手に投資してもっともうかるとか、芸能人が売れっ子になったらメディアの露出が増え、それによってさらに売れっ子になるとか、「ひとり勝ち社会」といわれる要因はレントだ。AKB48のメンバーも、一人一人はごく普通の女の子だが、演出だけでスーパースターになれる。 Economi

    製造業はAKBに学べ
  • ブログで分かるブレイクする経営者~例・岩瀬大輔氏

    ライフネットの岩瀬さんのブログが面白いですね。 新社会人向けに書いたエントリーが好評で調子…いや、勢いに乗ったようで、3月末から半月ばかりで8と怒涛のエントリー。そのどれもが面白い。皮切りになった「新社会人の君へ」ではバツイチの過去までカミングアウトする出血サービスぶりだ。 かつては新聞記者、今は広報コンサルとして経営者の価値観を知る参考にブログを読むが、なぜその人がマスコミで取り上げられてブレイクするのか大体分かる。あるいは読んだ時点で無名であっても、「この人はいずれメディアで引っ張りだこになるな」と評価できる。「ブログで分かるブレイクする社長、しない社長」のような法則があるとすれば、岩瀬大輔氏はブレイクするパターンを踏襲している。 ●岩瀬大輔のここがスゴイ 他方、ゼロから起業して億単位の売上げを伸ばすまでに成長する経営者の方々でも、自分が記者なら「死んでも取材したくない」と辟易するブ

    ブログで分かるブレイクする経営者~例・岩瀬大輔氏
  • インチキ経済理論を見抜く簡単な方法 -- 辻 元

    経済学に出てくる数学は、簡単な漸化式が主で、複素函数論や偏微分方程式といった高級な数学は出てこない。 専門誌に掲載された論文でも、ある程度の数学のリテラシーがあれば簡単に理解できる。 物理学の相対性理論、量子力学などと比較しても理論は貧弱であると言わねばならない。従って経済学では、物理学における、核分裂によるエネルギーの生成といった、思い掛けない結論が出てくることは期待し難い。 よって真っ当な経済学を用いれば、経済成長が劇的に加速するような手法が見つかることはない。 しかし、昨今、いろいろなメディアを通じて、経済に対する誤った議論を毎日のように目にするようになってきた。 このようなインチキ理論を見抜かないと、身を護れないが、こういったインチキを見抜くのは難しくない。 以下、簡単な方法を紹介する。 (1)スケールを小さくしたモデルを考える 「内国債は、国民の政府に対する貸付だから、内国債の増

    インチキ経済理論を見抜く簡単な方法 -- 辻 元
  • 変人がイノベーションを生む - 『フレーミング』

    フレーミング 「自分の経済学」で幸福を切りとる 著者:タイラー・コーエン 販売元:日経BP社 (2011-07-21) 販売元:Amazon.co.jp ★★★★☆ 原題は”Create Your Own Economy”。この邦題は、私の原著への書評の影響だろうか。イノベーションを生み出すのは、既存のフレーミングを打ち破る「変人」である。元の記事を再掲しておこう。 著者は有名な経済ブログ、Marginal Revolutionの管理人。彼もインターネットの現状について怒るのは、「バカが多すぎる」ということだ。したがって今後のウェブの進化のフロンティアは、下らない情報を排除して必要な情報だけを見るしくみをつくることだろう。私が日常的に見るウェブサイトは、自分のブログと「アゴラ」以外は、RSSリーダー(20ぐらいしか登録してない)とグーグルニュースぐらいで、これで95%の用は足りる。著者も、

    変人がイノベーションを生む - 『フレーミング』
  • フリーになるな。スペシャリストになれ! @sorahikaru

    先日、弊社のiPhone / Androidアプリ開発支援 RainbowAppsスクールにこんな問い合わせがあった。 ■質問 「プログラム初心者です。Androidをやるべきか、iPhoneをやるべきか悩んでいます。また、現在28歳でフリーで働けたらと考えていますが、不安も多いです。」 この質問には、20代、30代が抱えている問題や不安を多く含んでいるので、人にだけではなく、アゴラ読者にも僕の考えを伝えいたと思う。 質問者の28歳男性には、これからのキャリアの積み方や、先行き不透明な人生に不安があるのだろう。28歳は1回目の転職や独立を考える最初の転機とも言える。不安があって当然だ。 質問をいくつかに分けて回答していきたいと思う。 Q1:プログラム初心者です。 質問を補足すれば多くの人はこんな感じになるだろう。 Q1’:プログラム初心者です。こんな自分がiPhoneAndroidのア

    フリーになるな。スペシャリストになれ! @sorahikaru
  • がん治療にいくらお金がかかるか

    震災や原発のエントリーが続いて胃もたれ気味になっている読者の皆さんも少なくないだろうと考え、たまには保険の話題でもいかがでしょう。 先日、「がんの治療費はいくら?」というテーマについて、がん保険最大手のアフラック社が興味深い調査結果を発表しましたので、ご紹介します。 調査はがんに関するイベント来場者を対象とし、有効回答数は12,843件。このうち、「がん治療費全般にかかる費用(入院、事、交通費等を含む)はどの程度だと思いますか/総額いくらでしたか」という質問に回答したがん無経験者が11,528名、経験者が593名。約5%ががんの経験があるということになります。 グラフを見てすぐに分かることは、がん経験の無い人と、実際に経験した人では回答が大きく異なっているということ。 がんになったことがない人は、32%の人ががん治療費について「300万円より多い」、21%が「300万円程度」と回答してお

    がん治療にいくらお金がかかるか
  • 東京電力は、今の日本のマネジメントや企業風土の鏡像である

    すでにスマートグリッドや発送と配電の分離といったテーマが定着していますので、そうした制度設計の話とは別に、今回は社風や組織風土を取り上げます。連日記者会見などで見る光景に違和感を覚える方や、重厚長大型の企業にお勤めの方の中には「ウチと似ている」と感じることがあるかも知れません。 主な特徴として、 1)会長/社長はなかなか出てこない →トップが出てくるのは、儀式として謝るか辞任するとき 2)次第に固定化しているものの、当初会見で出てくる顔ぶれが異なる →個人に責任を負わせずリスク分散の仕組み 3)話を聞いていると、誰が決めているかわからない →国の意向か、社内での合議かわからない 4)実業団選手や新入社員がブログやSNSで「悪くない」「嫌なら電気を使うな」と反論し、”炎上”する →愛社精神の発露ですが、部門の違う社員は報道程度の内容しか知らない場合が多く、希望的観測で社会的に理解が得られない

    東京電力は、今の日本のマネジメントや企業風土の鏡像である
  • なぜ「入試・就職・人口減少(広義で結婚)」に関するテーマが関心高いのか?

    アゴラでは色々なテーマを扱っていますが、過去の内容を振り返りますと「入試・就職・少子高齢化と人口減少(移民に加えて婚外子の少ない日では、広義で結婚と関わりが強いため、必然的に結婚が入ります)」に関する内容の投稿やコメントが多い状況となっています。これらはある意味で、日の社会システムの特徴と課題が凝縮されているものと言えますが、共通している内容は下記の点が挙げられます。 1)社会的な意味合いとして崩れかけていても、日社会で依然として「入試・就職・結婚」が人生の一大転機になっている。 2)同様に入試・就職・結婚が、明治期以降の近代化の中から、社会階層が変化する大きな位置づけになっており、後の段階で挽回する機会はぐっと大変になる。 3)三者とも、来はスタートラインにもかかわらず「その後に何かをする」より「肩書きやその事実」のほうが優先されやすい。 4)三者とも社会的な通過儀礼となっており

    なぜ「入試・就職・人口減少(広義で結婚)」に関するテーマが関心高いのか?
  • 大学というバブル

    井上さんの記事を少し補足しておきます。「教育に外部効果がある」というのは古い話で、前にも紹介したハーバード大学のPritchettなどの行なった世界銀行の調査では、教育にはマイナスの外部効果があるという結果が出ています。図のように各国を比較すると、教育投資(縦軸)と成長率(横軸)にはまったく相関がありません。教育(特に大学教育)は生産人口を浪費して、成長率を下げている可能性があるのです。 教育が成長率に貢献しないということは、社会的には浪費であることを意味します。読み書きなどの基礎的な教育は重要ですが、労働生産性に貢献するのは中学ぐらいまでの教育で、大学教育は無意味(あるいは社会的にはマイナス)だというのが、多くの経済学の実証研究の結果です。 これは教育投資が無駄だということではありません。それどころか教育投資の私的な収益率は高いのです。日でも大卒の生涯賃金は約2億8000万円で、高卒よ

    大学というバブル
  • 就職待合室はいらない

    週刊ダイヤモンド特集「就活の虚実」に、人気企業100社のアンケート調査結果「採用で最重視する資質」という調査が掲載されている。 コミュニケーション能力、熱意、意欲、主体性、行動力などという、どうやって評価しているのかわからない(どうやって開発できるのかもわからない)項目が過半数を占める一方、学業成績、表現力、外国語能力はゼロである。大学が開発しうる能力は、誰も評価しない。 大学の学業成績はどうでもよくても、基礎学力は重視している。基礎学力とは高卒程度の知識のことだ。 他の記事でも、大学教育については、何ら語られることはない。最近、多く刊行されている「就活」でも、大学教育とどう向きあうべきかは、無視されている。 エントリーシートにも、大学の正規科目で何を学んだかが書かれることはほとんどない。むしろ、短期留学をしたとか、部活をがんばったとかいう、「課外」活動の方がウェイトが高い。所属学科は重

    就職待合室はいらない
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