■歴史は繰り返す ダン・ブラウンの「ダ・ヴィンチ・コード」がブームになっている。原作本はもちろん、映画、関連グッズも大売れで、商売繁盛。書店では類似品も並べられ、「ダ・ヴィンチ・コード」特需を狙っている。歴史は繰り返すのかもしれない。じつは、1990年代初頭、似たようなブームが起こっている。「イエスのミステリー~死海文書で謎を解く~」が世界10ケ国でベストセラーになったのだ。それが引き金になり、死海文書ブームとなったわけだ。 だが、今回の盛り上がりは、15年前のはるか上を行く。聖書に無関心な人まで巻き込んでいるからだ。一見すると、この2つのブームの源はキリスト教に見えるが、「宗教」だけで世界中を騒がせるのは難しい。もっと分かりやすいモチベーションが必要だ。ということで、根は「陰謀」。古今東西をとわず、人間は「陰謀」が大好きなのだ。退屈でつまらない現実から逃れるために。 ■死海文書 「死海文