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ブックマーク / hattto.hatenadiary.org (1)

  • 学生DkK(書き直し第一稿) - はとどくしょ

    カーテンのはためく音が帆船のようだった。 (風が) 放課後の図書室。ドアを開く音ともに風が吹き込んで、重量のある布を外へと押し出した。プリントが飛ばないように、こんこんは手を伸ばす。貸し出しカウンターの内側で、風の出所を探して入り口を振り返ると、細身の長身シルエット。相手はこちらの姿を見つけて、わずかにいやな顔をした。 先に口を開いたのは、ドアを開けたでるたの方だった。 「はやいですね先輩」 「今来たところですよ、先輩」 こんこんは眼鏡を戻しながらぼそりと答える。二人は同学年ではなかった。学年としてはでるたの方が一つ上だ。しかし、今年図書委員として入ったばかりのでるたは、図書委員二年目のこんこんを先輩と呼んでいる。 (きっと、嫌味だ) と、こんこんは思ってやまない。 こんこんは今日配架予定の新刊にルックスを貼り終えて、空気が入らないように定規をあてる。そのの色と形を、でるたは目に留めて

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