口コミだけで月間10億PV、ベストセラー続々 京都発の小説投稿サイト「小説家になろう」の歩み(1/4 ページ) 「魔法科高校の劣等生」「ログ・ホライズン」――100万部を超えるベストセラーとなり、アニメ化もされたこれらのライトノベルは、1つの投稿サイトから生まれた。「小説家になろう」。2004年にオープンした小説投稿サイトだ。京都市内のベンチャー企業・ヒナプロジェクトが運営している。 代表の梅崎祐輔さん(28)が大学生のころ個人で公開したサイトで、4年前に法人化した。口コミだけで成長し、掲載小説数は28万作品以上、登録ユーザーは50万超、月間ページビュー(PV)は約9億5000万。ここ数年は、投稿された作品が単行本として出版されるケースが続出している。 執筆・閲覧とも完全無料。ブログのようなユーザーインタフェースで簡単に小説を投稿でき、メールから投稿もできる。アクセス数やコメントなどを通じ
カーテンのはためく音が帆船のようだった。 (風が) 放課後の図書室。ドアを開く音ともに風が吹き込んで、重量のある布を外へと押し出した。プリントが飛ばないように、こんこんは手を伸ばす。貸し出しカウンターの内側で、風の出所を探して入り口を振り返ると、細身の長身シルエット。相手はこちらの姿を見つけて、わずかにいやな顔をした。 先に口を開いたのは、ドアを開けたでるたの方だった。 「はやいですね先輩」 「今来たところですよ、先輩」 こんこんは眼鏡を戻しながらぼそりと答える。二人は同学年ではなかった。学年としてはでるたの方が一つ上だ。しかし、今年図書委員として入ったばかりのでるたは、図書委員二年目のこんこんを先輩と呼んでいる。 (きっと、嫌味だ) と、こんこんは思ってやまない。 こんこんは今日配架予定の新刊本にルックスを貼り終えて、空気が入らないように定規をあてる。その本の色と形を、でるたは目に留めて
Dk部と呼ばれる部活がこの学校にはある。誰もまともに活動内容を知らないらしい。だから僕は興味が湧いた。 僕が聞いたところだと、部員は上級生二人だけらしい。活動場所は文化部の部室棟の一室。 そう、今、僕の目の前には、そのDk部の扉がある。 放課後のこの時間、文化部の部室棟は本校舎から離れているため、静かではある。けど、グラウンドからはサッカー部や野球部の声が聞こえる。本校舎からはブラスバンド部が練習している音が聞こえるため、完全な静寂とは言えない。 「それにしてもだ。扉の向こうから全く音がしないんだけど……」 誰もいない? 今日は休部なのか? そんな不安が過ぎる。 いや、そんなことはない。クラスメイトの話だと、平日のこの時間Dk部は必ず活動しているのは確定だ。 コンコン。 ノックをして待つこと十秒……反応なし。 コンコン。 もう一度。 しかし、結果は同じだ。 僕は仕方ないので、ドアノブに手を
リリース、障害情報などのサービスのお知らせ
最新の人気エントリーの配信
処理を実行中です
j次のブックマーク
k前のブックマーク
lあとで読む
eコメント一覧を開く
oページを開く