「平均」は統計用語の中で一番多く使われていると思われる言葉ですが、2つの考え方があります。さいころを振って何の目が出たのかを1から6までの数字で記録すれば、平均を求めることができます。理論的に計算すると、さいころの場合、どの目も同じくらいの確率で出る(同様に確からしい)ので、平均は(1+2+3+4+5+6)÷6=3.5となります。この3.5という数字は、全体を「ならす」という考え方で求めた平均です。しかし、統計教育で狙っている平均の指導は、このような全体をならす考え方ではなく、全体の「代表」という考え方です。全体の代表という考え方は、平均を集団の代表とみなし、他のデータは平均の近くにいっぱい散らばっている(分布している)ことを意識しなければなりません。もし、この考え方で「さいころの目の平均が3.5」を解釈すると、さいころをたくさん振ったとき、3.5に近い数字の3または4がたくさん出ることに