2019年5月10日に、「大学等における修学の支援に関する法律」が国会で成立。新聞やテレビなどのマスコミでは「高等教育無償化」と報道されています。2020年4月施行、というこれら報道を見て、「来年から大学の授業料がタダになる!」と思う人は多いでしょう。授業料、入学金を経済的な障壁と感じ、進学を諦めていた学生やその家族には朗報に聞こえます。ところが、この法律の中身を知れば、「無償化」とはとても言えないものであることが分かります。奨学金問題などに詳しい大内裕和・中京大学教授に、問題点や打開策について解説していただきました。 「無償」になるのは誰か? 「大学等における修学の支援に関する法律」は、住民税非課税世帯とそれに準ずる世帯出身の学生に対する大学等の授業料・入学金の減免と給付型奨学金の拡大を内容としている。分かりやすく言えば、経済的にかなり困窮している家庭の学生のみが支援対象になるということ