AuclertとRognileの、最近MITから生み出されたマクロのスターが、不平等の拡大が経済停滞を生み出すメカニズムについて分析している("Inequality and Aggregate Demand"、論文自体は公表されていない)。このメカニズムはいろいろな人が言っている(例えば、この記事(日刊ゲンダイなんて引用したくないんだけど)によるとスティグリッツは「格差が拡大していることにより、持てるものは消費を拡大せず、持たないものは消費を控えることにより、『需要』が冷えていることが問題である」と言っているそうである)。 メカニズムは単純である。収入や貯蓄が低い人の消費性向は高く、収入や貯蓄が高い人の消費性向は低いことは知られている。このような状況下で、収入が高い人の収入が更に増え、収入が低い人の収入が更に減ったとしよう。もちろん、この場合、所得の不平等は拡大することになる。総消費はどう