こういう説明をしても農業に詳しい読者は、「露地と比べて競争力はあるの?」という感想を持つかもしれない。そこで、この工場のもっとも特異な点に触れておくと、おもな販路がスーパーなのだ。ふつう植物工場は「生産は安定しているが高コスト」というハンディをカバーするため、機能性をうたって高値で売ったり、「価格の安定」を優先する大手外食に売ったりする。 ちなみに、スプレッドの売り上げは2016年3月期も2017年3月期も約8億円。伸び悩んでいるわけではない。工場がフル稼働になっていて、1カ所だけではこれ以上、売り上げを増やせないのだ。大手スーパーに聞くと、「仕入れを2倍に増やしたい」「品種も増やしてほしいと頼んでいる」という。スプレッドはどうやって、価格競争の激しいスーパーを販路に、植物工場の運営を軌道に乗せることができたのか。 続きを読む どう組み合わせるか、ノウハウは人に宿る 工場が本格稼働したのは