よくある、経験と表現にまつわる話について。 「経験したことの方がリアリティがあっていいものが書ける」 「経験していないことを書くと、リアリティがなくてよくない」 (「じゃあ、ミステリ作家はみんな殺人をしてるのかよ」) から進んで 「経験していないことを書くべきではない」 「当事者以外が、その問題について書くべきではない」 まで。 (たぶん後者の先に、「LGBTQに設定されたキャラクターは、LGBTQ以外の人間が演じるべきではない」があるのだろうけれども) この理屈、理屈として通っているように見えるけれども、どん詰まりだと思っている。 なぜなら 「経験しているからこそ書けないことがある」 「当事者だからこそ、語りえないことがある」 という現実があり、 「経験していない人が、調べて、想像して、やっと表に出る表現、作品というものが存在する」 ということも十分にあるからだ。 戦争に行って人を殺して