政府直轄部族地域とペシャワル南部の境界を往来する子供たち。遮断機(右)の奥に見えるのが部族地域=酒井圭吾撮影 パキスタンの安定化を目指して東京で17日に開かれた支援国会合は、「テロの温床」を生む貧困の克服が大きな議題となった。 オバマ米政権も、アフガニスタンでの対テロ戦略の鍵を握る重要国としてパキスタンを位置づけるが、同国のイスラム過激派は、貧困層を取り込む形で都市部にも浸透し始めている。 ◆未舗装の道、突然の「検問」◆ 「頭を下げろ!」 アフガン国境に近いペシャワル南部。未舗装の道を車で移動中、現地で雇った案内人が叫んだ。 アフガンの旧支配勢力タリバンや国際テロ組織アル・カーイダが拠点を築く政府直轄部族地域まで2キロ。銃を持つ男が300メートル先で別の車を制止していた。タリバンの「検問」だ。 外国人がいると分かれば危険は増す。道端に停車し、様子をうかがううちに男はいなくなった。 タリバン