パク・チャヌクという名前は、自分の韓国映画に対するひとつのターニング・ポイントだった。 何しろそれまでの自分は、レンタルショップなどにて大々的にポップで飾られ、壁際一面を占拠しているいわゆる「韓流コーナー」を真顔でスタスタと素通りし、端っこに追いやられたホラーコーナーで、まったく貸し出されていない『ジーパーズ・クリーパーズ』を不憫な目で哀れみ、その後シカトを決め込んで『ヘルレイザー リターン・オブ・ナイトメア』を借りてくるような人間だったので、どこぞの名無しの権兵衛が企んだ韓国映画特集なぞ邪魔だとしか感じていなかった。だが、とある夏の平日、半裸で鼻くそをほじったりそれを丸めて飛ばしたりしている内にリベンジムービーづいてきて、よっしゃ何か復讐映画でも観てこましたろ、と、冷やかし半分で『復讐者に憐れみを』を借りてしまったことから事態は一転する。ファニーフェイスなペ・ドゥナのヌード、水中でパク