地鳴りを響かせ、身の丈数10メートルの大巨人がゆっくりと倒れていく。 「きょ、きょ、巨人を蹴りの一撃で粉砕したぁぁぁあああああ!?」 クロエの叫び声は、倒れた大巨人の背中がカンゼイの町を押し潰す音にかき消された。 舞い上がった土煙があたり一辺を包み込む。 「し、信じられない……!」 焚火も開いた口がふさがらない様子。 「さっすがヒビノですわ! これが東の『一撃勇者』の力ですの!」 ただひとりだけ、驚くことなく両腕を振り回して歓喜しているのはニナニーナだ。 レスカやミクス、メルティアとゴルドラも、揃って目を丸くしていた 。 そして、赤黒い肌をした魔人も。 「あなた……何者ですえ……?」 緊張混じりの声音。もはや俺を侮る様子はない。 険しい目つきは、こちらを要注意対象と認識を改めたことを知らせている。 「ローキックおじさんだ」 「……それは何ですえ?」 「ローキックを蹴るおじさんだ」 魔人の口
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