この季節、筍を茹でたときに必ず作るのが「若竹煮」です。淡口のダシで筍をゆっくり煮含めた後、生わかめを加えてさっと煮る。海の新わかめと山の筍を組み合わせることを発明したいにしえのド変態はいったい何者だったのでしょうか。そういうおかしな人々に今の我々は生かされているのでしょうね。 若竹煮は、穂先の柔らかいところが最高です。なので、筍の下半身をいかに生かすかが大問題ということになります。 僕はその筍の下半身をステーキにします。1センチくらいにスライスした筍の下半身をバターで焦げる寸前まで焼いて、醤油でジュっと仕上げます。 これだけで充分おいしいのですが、この最後の工程で牛肉のコマ切れを加えて筍ステーキにオンするとかなりヤバいです。あくまで筍が主役で、肉はソースがわりというバランス感にとどめるのがコツです。そこに木の芽とか大葉とかセロリ葉とかの香りの食材を加えるとごちそう感が半端ないです。 それで