ある雑貨店の片隅に、古いスノードームが佇んでいる。 その中に住む者たちは、不安に駆られ、終末についての噂を交わしていた。 天空に、ある不穏な兆しがあらわれたのだ。 果たして「その時」は本当にやってくるのか? それはどんな風にやってくるのか? 小さな小さな世界の中で、静かに近づいてくる終末の記録。 自然の中にある川のようなものにも、流れが常にある部分と、そうではない部分がある。水流のない部分や水たまりのような場所では、水は淀んで安定していて、特有の微生物が生息していたり、何者かの隠れ場所や産卵場所に適していたりする。だけどそこも、変化が全く起こらない「完全に安定した場所」なわけではない。魚や鳥などが沈殿した泥を一部混ぜ返したり、落ちてきた植物が腐って栄養になったり、刺激が外部から適度に加わることによって、わずかに変化が起こる。 人間社会も自然の一部分なので、そういうことが日々色んな場所で起こ