その電車から降りるべきか? 家の外に出るべきか?みんなと一緒にいるべきか? 高速道路は出口まで走り続けるべきか?---大地震でいちばん怖いのは「殺到」「パニック」。地震でなく、地震後に死ぬ。知識があれば、あなたは助かる 火を消しに行かない 不気味な予兆を見せる首都圏大地震。自宅で、通勤電車で、会社で—その際、自分と家族の命を守るにはどうしたらいいのか。 「私は、阪神・淡路大震災のときには大阪市北消防署の署長でした。この地域では震度5強の揺れを観測しています。ところが地震が起きて、みんなすぐに家から飛び出してきたものの、そのままじいっと立っている人がたくさんいた。東日本大震災の聞き取り調査でも、自宅から出ても空や海を眺めていた人が多かったのです。津波から身を守るための、次の行動がなかなかできないんですね」 と語るのは大阪市で消防署長などを歴任した防災アドバイザーの森田武氏だ。これについて災害