平和記念式典であいさつする安倍晋三首相=広島市の平和記念公園で2020年8月6日午前8時33分、畠山嵩撮影 米軍による原爆投下から6日で75年の節目を迎えた広島。この日、広島市内の平和記念公園で開かれた平和記念式典に出席した安倍晋三首相に「総理番記者」として同行取材した。私は大学の卒業論文のテーマに「原爆」を選んでいた。「生きているうちに核兵器のない世界を実現したい」。被爆者の声に、首相はどう答えるのか。核兵器禁止条約の「締約国」になる意思はあるのか。節目の日の首相の言葉を追った。 6日午前8時に始まった平和記念式典。新型コロナウイルスの感染拡大の影響で、規模は縮小され、参列者は例年の10分の1に満たない約800人。75年前、快晴だった広島の空には雲がかかっていたが、市内の気温は既に27度近く、マスクをしていると蒸し暑さを感じた。午前8時15分、原爆が投下された時間に黙とうをささげた後、首