初代陸上自衛隊特殊作戦群長による「私的戦闘訓練」の本当の問題点 秘密主義を脱し、「オーナー」である有権者・納税者に積極的情報公開を 堀口英利 キングス・カレッジ・ロンドン社会科学・公共政策学部 戦争学科戦争学専攻 1月23日、陸上自衛隊で唯一の特殊部隊である「特殊作戦群」で初代群長を務めた荒谷卓元1等陸佐が三重県の山中で私的に自衛官や予備自衛官を集めた訓練を主催していたと、共同通信が報じた。 共同通信は荒谷氏が故・三島由紀夫の思想との類似性を指摘しながら、「自衛隊内への過激な政治思想の浸透」の可能性を訴えている。 問題は「私的」ではなく、「先鋭化」の可能性 荒谷氏は「国際共生創成協会 熊野飛鳥むすびの里」を2018年に開設しており、同所のWebサイトによると部隊編成、作戦計画や作戦行動に関する「実戦的訓練」を施しているとされる。 ただし、今回の問題の核心はこの訓練の是非にはないと筆者は考え