先進国になると必ずでてくるのが「これ以上、豊かになる必要があるのか?」といった議論です。 真夜中でも煌々と電気がついた街で、24時間多くのサービスが受けられるし、猛暑の中、クーラーで冷やした部屋でサマーセーターを着用し、冬にはシャツ一枚で歩けるくらい家全体を暖める。 「こんな生活をする必要が本当にあるのか?」とは、誰もが一度はもつ疑問でしょう。 政府は毎年、当然のように「何%の経済成長を目指す」と目標を掲げます。しかしいったい私たちは、何のために経済成長を目指すのでしょう? 私も以前はこの質問に明確に答えられなかったのですが、20代の終わりにアメリカに留学した時、その学生街でみた光景からこの問いへの自分なりの回答を手に入れました。 私が留学したその大学街は、アメリカの中でも注目されている、とても社会的に実験的な街でした。 ホームレスや障害者、まだ効果のある薬が開発されていなかった時期の H