老舗出版社・三一書房(東京都千代田区)の前経営者が著作権者の許可を得ずに約200点の刊行物を電子書籍向けに提供していたことが分かった。同社の小番(こつがい)伊佐夫代表によると、同社前代表が昨年9月、都内の電子書籍配信・取次業者と覚書を交わし、三一書房の刊行物の電子書籍化と配信を委託したという。昨年末から複数の電子書籍販売サイトで販売されていた。 小番代表らは今年5月ごろ、前代表との経営譲渡を巡る民事裁判の中で無許可の電子化を確認。配信・取次業者に配信の停止を申し入れたという。小番代表は「無断販売された著者には書面で事情を説明し、正規の契約継続を申し入れている」と話している。