関西の芸能文化を半世紀近く伝えてきた季刊誌「上方芸能」(編集部・大阪市西区)が、来年5月発行の第200号で終刊することになった。発行人の木津川計(けい)さん(80)が1日、大阪市内での講演で明らかにした。財政的な困難や、自らが高齢になったことが理由という。 「上方芸能」は1968年、大阪で落語会の会報として創刊された。落語、文楽、狂言、宝塚歌劇、上方舞、現代演劇など関西を拠点とする芸能を幅広く取り上げ、落語家の故桂米朝さんらも寄稿してきた。80~90年代の最盛期に定期購読者が2千人いたが、読者の高齢化で1千人を切ったという。 木津川さんは「関西の伝統芸能や文化を応援してきた自負はあるが、赤字財政に耐えきれなくなった。私も老い、時代の変化についていきがたくなった」と話している。(大村治郎)