2016年3月期決算によれば、預金7005億円に対し貸し出しに回したのは601億円。貸出先がないのは全国どこも同じで、預金に占める貸し出しの比率を示す預貸率は全信用金庫平均で50%程度にとどまるが、1割を切る高知信金は際立つ。代わりに注力しているのが有価証券投資で、16年3月末で約5766億円と実に預金の8割以上を占める。 山崎氏は「高齢化もあって年金資金が毎年大量に集まる一方で、高知には地場産業が少なく、貸し出す先はあまりないので、預貸率は下がらざるを得ない」という。一方で、「プロであるわれわれがリスクを取らないと、お客さまはリスクを取れない」と話す。顧客に喜んでもらうため「預けたら高い、貸したら安い」ビジネスを実践する。現金自動預払機(ATM)も無料が基本という。 有価証券投資は債券と株式が中心。「デリバティブや外貨建て商品など理解できないものは買わない。投資信託も持っていない」と運用