旬刊商事法務の最新号(4月25日号)の「新商事判例便覧」を読んでいて初めて知りましたが、弁護士である取締役による他社の買収・管理に問題があり、会社に損害を発生させた場合に、当該取締役には弁護士資格者であるがゆえに高度な善管注意義務があるとして、当該善管注意義務違反に基づく損害賠償が認められた高裁判決が出ているのですね(令和4年9月15日東京高裁、なお原審東京地裁判決もほぼ同旨)。 A社がある会社を買収するにあたって、金融機関から融資を断られたため、A社オーナー経営者が「このままだと(買収が不成立となって)契約上の責任を負わないといけないかもしれないがどうしよう」と悩んでいたところ、弁護士資格を保有するA社取締役が「確定申告の控えをみると、対象会社には資産があるから財務的に大丈夫」「1億円ほどの資産があるので債務についても十分に返済可能」「自分はM&Aを専門とする弁護士であり、DDの経験もあ