第8、9回の2回にわたり、乗用車、二輪車、商用車および建機、農機、フォークリフトなどの産業車両など、陸上で活用される製品群のカーボンニュートラル(炭素中立、CN)化動向について解説してきた。今回は、陸上以外の空中や水上で使われる製品群として、航空機と船舶のCN化について動向を見渡し、解説する。 航空機と船舶のCN化について、特徴は大きく2つある。1つは、グローバルな枠組みで議論が進んでいる点。もう1つは、超小型製品を除き大出力・大容量が求められ電動化が困難という機能上の特徴である。 航空機や船舶では国際的な議論が進む 陸上で用いられる製品群は、公道走行を主に想定する製品(オンロード製品、乗用・商用の四輪・二輪車)と、公道以外で使われることに主眼を置いた製品(オフロード製品、建設機械や農業機械、フォークリフトなど)が存在する。だが、いずれも基本的に特定の地域内において利用される。そのため、必