子どもたちに夢と希望を与えるアルマ望遠鏡 「子供から、『お父さん、僕はブラックホールが見たい』と言われたので、『お父さんがきっと見せてあげるからね』と話したんです」 2012年3月5日、チリ、アンデス山脈の標高2900mにあるアルマ望遠鏡の山麓施設。 パラボラアンテナ66台が並ぶ電波望遠鏡(干渉計)アルマは、標高5000mのチャナントール高原に日米欧の国際協力プロジェクトとして建設されたが、その現場である山頂施設は酸素濃度が低いため長時間の滞在はできない。そこで、アンテナの遠隔操作などを光ファイバーを介して行う拠点がこの山麓施設だ。 この時が、私のアルマ現地の最初の取材だった。 その山麓施設で数人の日本人天文学者と声を交わしたが、その1人、若い天文学者がこんな父と子の対話を話してくれたことがずっと忘れられなかった。そこで私は、「アルマは子供たちに夢を、感動を与える」ということを忘れないよう