京都大学花山天文台は1929年設立の、日本で2番目に古い大学天文台です。これまで太陽系や太陽の観測的研究で世界的な活躍をしてきました。しかし、それ以上に重要なのが、アマチュア天文学への貢献です。初代台長・山本一清博士は、花山天文台創設間もないころ、日本中の星好きの人々や子供たちを花山天文台に招き、また、日本中に出かけていって天文学の普及活動を非常に熱心におこないました。その結果、日本中にアマチュア天文家が誕生したのです。日本のアマチュア天文学は世界一と言われますが、その理由の一つは、花山天文台を拠点とした山本博士の活躍にあります。それで花山天文台は「アマチュア天文学の聖地」とも呼ばれます。 ところが2018年、京都大学に新しく岡山天文台ができたことにより、花山天文台が閉鎖の危機に陥りました。国立大学の予算は昨今どんどん減りつつあります。そのような折、新しい天文台を作るには古い天文台を閉鎖せ